社会保険料の算定基礎となる賃金に関する5つの注意事項

社会保険料の算定基礎となる賃金に関する5つの注意事項

社会保険料の算定基礎となる賃金は失業制度、妊娠出産制度、疾病制度、年金制度、社会保険一時金制度といった労働者の享受できる各制度と直接関わりますが、多くの労働者はあたかもこの賃金に困惑しているようです。

    1. 社会保険料の算定基礎となる賃金は手取り給与であるか

労働者は雇用者に、月給として5百万VND、6百万VND、1千万VNDなど支払われるのでその給与額が社会保険料の算定基礎となる賃金だと思われがちです。

実はそうではありません。社会保険料の算定基礎となる賃金とは何れの場合においても月給ではなく、手取り給与でもなく、地域別最低賃金を下回らず20ヶ月分の基礎給を上回らないような、雇用者の決める金額をいいます。

2021年の地域別最低賃金は以下の通りです。

第1種地域:442万VND/月

第2種地域:392万VND/月

第3種地域:343万VND/月

第4種地域:307万VND/月

    1. 社会保険料の算定基礎となる賃金は月給にして良いか

特に外資系企業をはじめとして多くの企業は労働者の引き止めのために月給を社会保険料の算定基礎となる賃金にします。

例えば、Aさんの月給が2千万VNDであれば、彼に対し社会保険料の算定基礎となる賃金が2千万VNDになります。

それには全く問題がありません。勿論、社会保険料の算定基礎となる賃金が高いほど、労働者の享受できる各制度の給付金が高くなります。しかしながら、社会保険料の算定基礎となる賃金は月給にして良いとは言うものの、決定第595/QĐ-BHXH号第6条第3項に従って20ヶ月分の基礎給を超えてはなりません。

現在、基礎給は149万VND/月なので、社会保険料の算定基礎となる賃金が最大2,980万VNDになります。

    1. 社会保険料の算定基礎となる賃金は給与のみ含まれるか

通達第59/2015/TT-BLĐTBXH号第30条第1項に則り、雇用者の決める賃金制度を基に社会保険料を納付する労働者に対し、社会保険料の算定基礎となる賃金は給与、責任手当・勤続手当・地域手当・職務手当などの諸手当、その他の追加給付額が含まれます。

そのため、社会保険料の算定基礎となる賃金は給与のみならず、諸手当およびその他の追加給付額が含まれます。

    1. 社会保険料の算定基礎となる賃金は基本給であるか

基本給という概念は現行の法的文書に存在しておらず、労働者により使われている言葉です。社会保険料の算定基礎となる賃金が基本給であると思われた労働者も多いです。

しかし、3.で前述した如く、社会保険料の算定基礎となる賃金は給与のみならず、諸手当およびその他の追加給付額が含まれます。

それに対して、基本給が諸手当や賞与およびその他の追加給付額を含めず、労働者の受給する最低賃金という認識です。

    1. 社会保険料の算定基礎となる賃金は任意加入時にどうか

今だ、多くの労働者は任意加入時の社会保険料の算定基礎となる賃金がどうか分からないようです。実際に、任意加入時の社会保険料の算定基礎となる賃金は給与ではなく、加入者の収入を基に決められます。

決定第595/QĐ-BHXH号第10条第1項に沿って任意加入時の社会保険料の算定基礎となる賃金は加入者の月収の22%とします。

その月収は加入者が自由に決められますが、最低額として農村地域の貧困基準の月収(一人当たり70万VND)を下回らず、最大額として20ヶ月分の基礎給を超えてはなりません。

  • 参考元:
  1. 決定第595/QĐ-BHXH号
  2. 通達第59/2015/TT-BLĐTBXH号